第6回 (回答:当研究所講師)
| 日本語には、男言葉・女言葉がある、と思っている人は多いと思います。一人称についてはよく表れてしまいますが、語尾については、現代、男女差がなくなりつつあるのではないでしょうか。 | |
| おっしゃるとおりだと思います。言葉の男女差をいうとき、よく指摘されるのは文末の言葉です。 「雨だわ」「雨よ」「雨なの?」などは女言葉であり、「雨だ」「雨だぜ」「雨だよ」「雨なのか?」な どは男言葉と言われます。しかし一方で、日本語の性差が、以前に比べて、とくに若い人たちの間 で、あまりなくなってきていることも指摘されています(『談話表現ハンドブック』)。「これいいな あ」「知るかよ」など男性的な表現を使う女性や「いいじゃない」「そうねえ」といった女性的な表 現を使う男性が増えてきているそうです(飯野公一他『新世代の言語学』(くろしお出版2003)) し、「〜わ」「〜よ」などの女性語を使う人はかなり減ってきて、20代では男性とほとんど変わらな い形式を使っているとの報告(国立国語研究所)もあります。「オネエ言葉」のように、あえて性 を意識して使うスタイルもありますが、一般的に言葉の性差はなくなりつつあると言ってよいでし ょう。 | |
| 「シーフードといえば、海老ですとか、イカですとか、たこですとか、いろいろあります。」このときの「〜ですとか、〜ですとか」の使い方がとても耳につきます。いずれの時も話し手はていねいに語っているのですが、果たしてこれは、本当に正しいのでしょうか。 | |
| 例示し列挙するときに用いる「とか」は、「お茶とかお菓子とか」「映画を見るとか掃除するとか」 のように、基本的には名詞もしくは動詞の辞書形に接続します。広辞苑などの辞書の用例を見ても 「です」を伴うものはありませんし、日本語教育でも「動詞の辞書形or名詞+とか」という接続 の形を教えます(『日本語表現文型ノート』『どんな時どう使う日本語表現文型500』)。しかしなが らおっしゃるように、「ですとか」の形を用いる人がふえているのも事実です。ネット検索でも200 万件以上の用例がありました。もともとはつけないものだと思われますが、これだけたくさんの人 が使っている以上、正しくないとも言えません。丁寧さを表したいあまり、「海老とか、イカとか …」が「〜ですとか」となったのでしょう。 | |
| 「〜したけど」は、「〜したけれど」の省略形になるのでしょうか。 | |
| そのとおりです。「けど」は「けれど」の省略された形です。どちらも口語的ですが、「けど」の方がより一層くだけた表現になります。もともとは、形容詞の活用語尾「けれ」(かなしけれ、さびしけれ、など)に逆接を意味する接続助詞の「ど」がついたものでした。それが、室町から江戸にかけて、「けれど」で一つの接続助詞や接続詞として使われ始め、そのうち「けど」の形も江戸時代後半から使われ出したそうです。 | |
| 何かのテレビ番組で、「〜よろしいでしょうか」というのは、ていねいの表現だと言われていましたが、私にはそのように聞こえないのですが、いかがでしょうか。 | |
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「日本語大辞典第二版」(講談社)で調べてみると、 よろしい(形)(「よい」の丁寧語) (1)「よい」の丁寧な言い方。 でしょう(連語)(助動詞「です」の未然形に助動詞「う」の付いたもの)「だろう」の丁寧な言い方。 とあります。 「だろう」は推量を表しますので、「〜ですか」と聞くよりも、「〜でしょうか」と聞いたほうが、相手の気持ちを推し量るような柔らかさが加わると思います。 ですので、「よろしいでしょうか」は「いいですか」の丁寧な表現だと言えると思います。 よくレストランなどで「(食べおわったお皿を)お下げしてもよろしいでしょうか」と聞かれますが、言い方によっては許可を求めるというより機械的に発しているように聞こえるときもありますね。 そんなときはあまり丁寧な表現と感じないのかもしれません。 言い方に気をつけたいものです。 |
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| 「満足がいく」「満足のいく」はどう違いますか。 | |
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後ろに名詞をつけた場合、どちらも同じように使われます。 「満足が/のいく結果」「満足が/のいく味」「満足が/のいく家つくり」 しかし、これが文末で使われた場合はどうでしょうか。 「〜という点で満足がいく。」はいいですが、「〜という点で満足のいく。」は不自然ですね。 他の例を挙げてみると、「霧が/の濃い朝」のように名詞を修飾した場合はどちらも使えますが「昨日の朝は霧が濃かった。」を「昨日の朝は霧の濃かった。」と言い換えることはできませんね。 「の」は、後ろに名詞がつく場合に使われると考えましょう。 |
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